健康イモ焼酎や茶を開発 大泉町商工会

 健康ブームで注目されているブラジル原産シモンイモを町おこしに活用しようと、大泉町商工会(若旅吉昭会長)が栽培に力を入れ、焼酎やシモン茶を開発し、販売を開始した。町の新しい特産品としてアピールしており、商工会関係者は「シモンイモは天然ミネラル、ビタミンを多く含み、健康にいい食材。今後、生産量を増やしたい」と意気込んでいる。

 シモンイモはブラジル原産の「白いサツマイモ」で、形は似ているが、サツマイモほど甘くない。だが、カルシウムやカリウムなどのミネラル類やビタミン類を多く含んでおり、健康イモとして注目を集めている。

 平成15年に熊本県の旧倉岳町(現天草市)から苗を取り寄せ、大泉高や町農業委員会に栽培の協力を依頼した。商工会では「日系ブラジル人が多く居住する町でもあり、ブラジルをキーワードに地域活性化に取り込んでいる」と説明する。

 今年の収穫量は3トン。土壌のミネラル成分をまんべんなく吸収するため、1度栽培した土地は数年間、栽培できないなど苦労が多く、宮下善雄商工会副会長は「大きさにもバラつきがあり、試行錯誤しながら取り組んでいる」と話す。

 長野県佐久市の酒造会社の協力で製造した焼酎「城のうち」(720ミリリットル、1300円)は町内で1200本を販売。宮下副会長は「クセは弱く、飲みやすい。女性にも人気がある」と太鼓判を押す。

 葉や茎から作るシモン茶(30グラム、500円)20キロ分も製造した。ポリフェノールやビタミンKが豊富に含まれているといい、ほうじ茶タイプ、緑茶タイプの2種類を売り出した。

 町では商工会を中心に19年4月、大泉町観光協会を設立する。宮下副会長は設立準備委員会シモン部会長としてシモンイモを観光協会発足の目玉にしたい考えだ。

産経新聞 - 2006/11/17