電磁波の健康被害について考える講演会

 快適な生活をもたらしている電化製品や携帯電話から発生する電磁波の健康被害について考える講演会が11日、伊那市の東春近ふれあい館であった。電磁波環境研究所所長・荻野晃也さんを講師に迎え、電波塔周辺などで多くの健康被害が報告されていることや、どのような影響があるのかなどを学んだ=写真。コープながの「環境ウォッチャーズ倶楽部」主催。

 荻野さんは、世界各国が電磁波問題に注目する中、日本の関心の低さを指摘。01年には世界保健機関(WHO)が証拠は不十分としながらも、送電線から出る電磁波による発ガン性の可能性を認めたほか、電波塔周辺でガンや小児白血病などが多く発生した事例などを扱った研究論文も次々に発表されている。一方、確実な証拠がないために具体的行動につながらない現状も示した。

 荻野さんは「100%の危険性は確定していない。しかし欧州では、今後大きな危険が及びそうなものに対して予防措置を講じている。日本でも予防措置を導入していくことが一番大切」と訴えた。
伊那毎日新聞 - 2006年11月15日