モデル嬢カロルの死:貧苦と体形維持の無理たたる

サンパウロ州ジュンジアイー市(サンパウロ市から北方六〇KM)生れのモデル嬢カロル(アナ・カロリナ・レストン・マカン、二一)が十四日、サンパウロ市の市立公務員病院で母に見取られながらひっそり死んだ。死因は「アノレキシア」と「アブミリア」の両病に起因する全身感染、入院二十一日と治療の甲斐もなかった。病気はずっと前からのものであった。

 「アノレキシア」と当国で呼ばれる病気は本人が必要以上に体重を減らそうと食事や栄養を極度に制限するところから生じ、「アブリミア」はその副作用として食べ物をゲェゲェと吐いてしまう症状をいう。

 カロルは身長一・七二メートル、体重が四十KGと十五、六歳の少女並み、国連保健機関の基準によればその一・七二メートル身長の身体が健康であるためには体重は少なくとも六〇KGを必要とする。

 カロルは入院の二日前に背中に強烈な痛みを訴えた。診断医は「腎臓結石だね」とカロルの恋人ブルノ・セッチ(一九)に言った。

 入院手続きをとったのはピラポラ・デ・ボンジェズス市(サンパウロ市から五三KM)に住む母親ミリアン・レストンさん。

 カロルはサンパウロ市のレキッペで働いていた。昨年は「日本で働いてみないか」と勧められ、二か月間契約で大阪で働いた。その時もアノレキシアが発病し入院したことがある。

 カロルの念願は実弟の名義で買ったピラポラ・デ・ボン・ジェズス市内の土地に家を建て母ミリアンとパーキンソン病とアルツハイマー病に悩まされる父(五九)や弟を住まわせることで、そのために稼いだ金を極力節約して送金していた。しかしその前におびただしい借金払いがあった。

サンパウロ新聞 - 2006/12/2