健康保険の被扶養者の認定基準

Q.
障害基礎年金を受けており、現在パートで働いています。夫の転職を機に夫の扶養に入ろうと思うのですが、今までどおり年金を受け取りながらパートで働く場合、私の給与収入はどのくらいなら夫の扶養に入れるのでしょうか(I.K 37 山梨県)
A.
障害基礎年金を受給中で、パート収入もある場合の扶養の認定基準のご質問ですね。
 扶養の認定と一般的に言われるものに、健康保険の被扶養者と、所得税の扶養とがあります。それぞれ分けてご説明いたします。


●健康保険の被扶養者の認定基準
 主として、被保険者の収入で生計を維持している方で、認定対象者であるI・Kさんの今後1年間の収入の見込みが、130万円未満(60歳以上の場合または障害厚生年金を受給できる程度の障害者の方は180万円未満)で、かつ夫である被保険者の年収の概ね2分の1未満であることが必要です。

 I.Kさんは、障害基礎年金を受給中とのことですから、障害厚生年金を受給できる程度の障害の状態となります。よって、今後1年間の収入見込みは180万円未満を基準とします。この180万円は、障害基礎年金の額とパートで得られる収入見込みとを含んで判断をすることになります。

 180万円から障害基礎年金の額を引いた金額の範囲内が、今後1年間のパート収入の見込みであれば、健康保険の被扶養者として認定されることになります。

●所得税の扶養
 所得税法上の扶養の取扱いは、健康保険の被扶養者の認定とは異なり、毎年1月から12月までの1年間の収入の金額で判断します。収入が給与収入のみの場合、1年間の収入が103万円以下であれば所得税法上の扶養と判断されます。

 この収入には、所得税法上の規定により非課税とされている障害基礎年金の額は含まれず、パート収入のみで判断をすることとなります。

 上記のように、健康保険の被扶養者と、所得税の扶養の判断は違ってきますので、それぞれに分けて、お考えください。

(小山 弘子・社会保険労務士)
読売新聞 - 2006/12/6