京都市こころの健康増進センター主催,薬物問題の現状や課題を考える 下京で講演会


 若者の薬物問題について考える講演会(京都市こころの健康増進センター主催)が20日、京都市下京区のぱるるプラザ京都で開かれ、市民や教育・医療の関係者たち約100人が、精神科医師や薬物依存症の経験者のメッセージに耳を傾けた。

 薬物依存症者の回復施設「京都DARC」(伏見区)の加藤武士施設長がこれまでの活動を紹介し、大麻や向精神薬からせきどめ薬まで複雑化する薬物問題の現状を報告した。また、薬物依存者の自助グループのメンバーが「今でも(薬物への)欲求はある。施設でのミーティングでその正直な気持ちを吐き、心配してくれる仲間の優しさに助けられる」と語り、「自分は回復できると思うし、仲間の回復も信じている」と話した。

 また、京都DARCの設立にもかかわった精神科医師の奥井滋彦さんが「医師が処方する睡眠薬などでも、長期投与や乱用で薬物依存症を生み出す」と警告し、「自分の使っている薬を理解し、自己防衛を」と呼び掛けた。

【写真】薬物問題の現状や課題を考えた講演会(京都市下京区・ぱるるプラザ京都)
京都新聞 - 2006/12/20