健康づくり考える 7年間の事業成果披露 300人参加しシンポジウム


鶴岡市が主催した健康づくりシンポジウム「笑顔ではじめる健康づくり!未来のあなたへプレゼント」が3日、同市のグランドエル・サンで開かれた。市民が、講演やパネルディスカッションを通し健康づくり事業の今後について考察した。 同市では、生活習慣病の一次予防に主眼を置いた取り組みとして、2000年度から4カ年、厚生労働省の「国保生活習慣改善モデル事業」、引き続き04年度から3カ年は「ヘルスアップモデル事業」を実施してきた。

 今回のシンポジウムは本年度、ヘルスアップ事業が最終年度にあたることから、生活習慣改善モデル事業を含め計7年間の成果を披露し、市民にアピール。さらに健康づくり事業の今後の進め方などを考察しようと開催した。両事業の一環として開催したセミナーの受講者を中心に市民約300人が参加した。

 はじめに富塚陽一市長が「受講者は14万市民の中の大河の一滴かもしれないが、良いことは必ず広がっていくと思う。今後も健康づくりサポーターとして活動をしてもらうなど支援をお願いしたい」とあいさつした。

 引き続き両事業のアドバイザーとして支援・指導に当たった共立女子大家政学部教授の川久保清さん(厚労省国保ヘルスアップモデル事業評価検討会検討委員)が「健康づくりセミナーの成果と今後の健康づくり」と題し基調講演した。

 川久保さんは、内臓脂肪型肥満(りんご型肥満、上半身肥満)によってさまざまな病気が引き起こされるメタボリックシンドロームについて解説し、「従来は『生活習慣病』とひとくくりだったが、現在はメタボリックシンドローム、がん、循環器疾患に分けられている」と述べ、「内臓脂肪の蓄積を調べる方法として、へそ回りが男性は85センチ以上、女性は90センチ以上というのがあるが、男性に比べて女性が大きいという規準は世界中で日本だけ。もっと男性に甘く、女性に厳しくしないと」と会場を笑わせた。そのうえで、「早めに見つけて早めに予防してもらおうと、厳しい診断基準を作った」と、メタボリックシンドロームの診断基準などについて紹介した。

荘内日報 - 2006年12月4日