健康で長生きできるサプリ 1?2年内に登場?


 赤ワインに含まれるレスベラトロル(ポリフェノールの一種)をマウスに大量に与え続けると、太っていても健康で長生きするという研究報告が話題になったが、報告した研究者の1人、国立老化研究所(NIA)のラファエル・デカボさんは「喜ぶのはあと1、2年待って」といっている。

 この研究報告は「革命的」(マサチューセッツ工科大のレナード・グアレンテ生物学教授)ともいわれる。美食家のフランス人に心臓病が少ない、いわゆるフレンチ・パラドックスに説明がつき、高カロリー食をとり運動しなくても長生きする道が開けるからだ。

 別の研究では、伝統的にポリフェノール含有量の多いワインを生産してきたフランス南部の地域では、住民に心臓病が少なく寿命が長いことが指摘されている。

 デカボさんが待てというのは、まず第1に現在、臨床実験が始まった段階で、1、2年のうちに人間にもマウスと同様のことがいえるかどうかが分かるからだ。また、市販されているポリフェノールのサプリメントには純粋なレスベラトロルはなく、こちらの開発も待たれる。

 マウスに与えたレスベラトロルは人間では1日1.5グラムに相当し、研究者の1人、ハーバード大のデービッド・シンクレアさんは「1日1、2杯の赤ワインではお話にならないほど大量」という。ブドウやベリー類、ピーナツなどのナッツ類、緑茶などにも含まれるが、十分なレスベラトロルを抽出できる量となるといずれもかなりの高額となる。(USA TODAY)

【写真】長寿の薬(?)レスベラトロルが含まれることで注目される赤ワイン(MCT)

産経新聞 - 2006/12/10